報連相とは?
報告連絡相談を略して報連相と言うことは周知の事実かと思います。
ただこの言葉を聞くたびに思い出すのは、この言葉が生まれた背景。
かつて山種証券(現SMBCフレンド証券)の社長だった山崎富治さんは、自著の中でこう書かれています。
下からの意見をどう吸いあげるか、みんなが働きやすい環境をどう作るか、暖かい人間関係をどう作るか、少数精鋭で社員一人ひとりに厚く報いるには…と、つね日ごろ頭を悩ませていたとき思いついたのが、"ほうれんそう"だった。
ちゃんと報連相しろ!
なんてことから生まれた言葉ではない。
むしろ…
私は、会社の"ほうれんそう"が立派に育っているかどうかの一つの目安はイヤな情報、喜ばしくないデータなどが何の粉飾もされずに正しく上に伝えられることだと思っている。
上の人間が聞いて不快になりそうな情報は、なるべく伝えないようにしようという土壌がいつのまにかできているとしたら、この土壌には"ほうれんそう"は育たない。
学校現場においても、報連相は良く使われる言葉だと思う。(現に良く言われるなぁ。)
ただ、まずはそれが可能な環境が必要だと思う。環境とは、人的環境のこと。
職員全員と密なコミュニケーションは難しいかもしれない。けれど会話ではなく対話ができる関係性って、子どもと先生の間でも大事にしていること。
となれば、やはり先生間でも大事だよなぁ。
報連相だけじゃなく、熱く語れて、切磋琢磨し合い、より良さを求めていける。
"なぜよいと言い得るのか"、"共通了解を見出せるまで"対話ができる関係性がつくれたらどれだけいいだろう…。
反省も含めて。
笑うところに
一学期最後の懇談会後、1人の保護者の方から感想をいただきました。
(略)子供達が、自主的に行動する為、背景で先生が、笑顔で明るく子供達をやる気にさせる努力をしてらっしゃる事が伝わりました。息子が、3年目にして「学校が楽しい」と言ってくれてます。(略)これからもよろしくお願いしまーす!
ありがたい限りです。
以前、ある子どもが突然、
「先生はいつもね、ニコニコ」
と言ってくれたことがありました。
先生が笑顔、教室の居心地がいい、学校がたのしい…だからこそ、自主的に色々とやれますよね!
冷たーい雰囲気の中で、自主的に何かをするってかなり勇気が必要。
けど、あたたかい雰囲気の中では、自由にチャレンジでき、失敗しても次に活かして、自身の力で変えていけることに気づいていける。
その雰囲気をつくる1つは、先生の笑顔だとも思う。
子どもたちが僕のことを思い浮かべたとき、その顔が笑顔だったらうれしいなぁ。
「学校がたのしくて、すごく今幸せ。」
を大切に、ありがたいフィードバックを次に活かしていこう!
大事にしたいこと
一学期、子ども達の取り組みには、ステキが溢れていました。
例えばこちらで紹介したものもそうですし、
6月、コーナー設立!
http://matsuken1991.hatenablog.com/entry/2018/07/28/202127
名札係のお話
http://matsuken1991.hatenablog.com/entry/2018/07/29/160337
他にも
- 宿題係
- 落し物コーナーの使い方のルールづくり
- 図書係の読み聞かせ
- 音読でのちょっとした演劇
等々、出せばキリがないほど。
(いつか全部紹介しよう!)
これらのステキに溢れた、自主的な取り組みは、なにも特別な子どもがいたからではないなぁと思っています。
つまり、誰でもできる、というか、誰しも持ってるものだと思う。
困ったり、不都合を感じたり、興味関心を持ったり、より良くしようと思ったときに、自分たちでなんとかしようと思うこと。
そしてそれを実現するアイデア。創造性。力。
もちろんそれを学校で学んでいくのだけれど、持っている、ということを信じる、子どもに任せる、ことをいかに教師ができるか。
- 先生が笑顔で、クラスがあたたかい
- 何にでもチャレンジできる
- やってみていいですか?と聞く前にまずやってみることができる
- 自己肯定感がある
- 自発性を大事にできる
- 失敗したり困ったときにはもちろん教師は援助する
- 見守られているという安心感
- 自己選択と自己決定ができる
- チャレンジしたことで居心地がよくなったという経験
こういうことが大事にされていれば、子どもって自主的に、なんだってやれる。
子どもを信じて、支えることこそ、私たち先生の役目の1つなんじゃないかなぁ!
文が拙いけどまぁいっか笑
ps.今日は虹が見れました。
名札係のお話
どの学校もそうですかね…
毎日の日課として、朝来たら名札入れから名札を取り、帰るときに名札入れに名札を返す。
このお世話係が名札係。
その仕事の中で、課題が出てきました。
名札を取る、返す、が遅い…
名札係の2人、早くできないかと、ある提案がありました。それがこれ!
大枠を自由ノートに書いて持ってきて、作って欲しいとのこと。早速作成後名札係に渡すと、毎回タイムを計測して、記入。なるほど。
タイムを縮めていこうってことか!
ただ…課題は解決せず。全員が取る、返す、までの時間だから、1人なにかあって遅れてしまうと、タイムは縮まらない…
仕事量が増えてしまうだけとなってしまい…
名札係の2人に、もっといい方法あるかもよ〜と伝えようとしていた矢先のこと。
子どもの発想ってなんでこんなにステキなんだろう…
ビンゴにはなってないけど笑、ゲーム的要素を取り入れて呼びかけ!
しかもどんどん工夫されていって、学期末には名札入れの縦と横でチーム分けをしたり、リーダーを決めたり、黒板への記入を分かりやすくしたり(写真撮っておけば良かった…)。
子どもって競争が好き。すぐ返すようになりました。
週単位で順位を決めて、称賛するのも日課に。
自分たちで解決。すごいなぁ。
ただ…返すときは特に、名札入れに人が殺到してしまう様子も。ここらへんは、二学期考えないとなぁーと思っていたら、これまたすごい!
表彰することになり、リーダーに手作り賞状と、名札を早く返せる券を!
早く返せる券、その後継続して根本的に課題を解決できるという訳ではないけど、課題を自分たちで見つけ、変えようとしているところがステキ!
あとはそこに、必要に応じて教師がサポートしていけばいい。
教師の役目ってそういうサポートであって、
こうしなさい!ああしなさい!
ってなんでもかんでも決めてしまうことは避けたいなぁとつくづく思いました。
明日はこのことを書こう!
6月、コーナー設立!
小学3年生、理科の授業ではモンシロチョウの観察があります。
学年共通のキャベツが植えられた鉢が外にあり、授業になると観察に行く訳ですが、教室の中にあって、いつでも観察ができたらいいなぁと思っていたら…それは子どもたちも同じだったよう。
虫かごが用意され、教室での観察が始まりました。
しばらくすると、ある子どもが、
「先生、アゲハの幼虫ゲットしたんで、持ってきていいですか?」
早速、鉢も手作りで持ってきてくれました。
これは…観察するものも増えるし、ちゃんと観察できたらいいよなぁということで、子ども達に相談。
「ステキな鉢と教科書とかでしか見てなかったアゲハチョウの幼虫を持ってきてくれたんだけど、せっかくだから、みんなが見やすいところに置いた方がいいと思うんだ…どうしようか??」
「なんか、観察する場所があったらいい!」
「机とイスがほしい!」
といった感じに話は進み…
観察コーナーの誕生!!
しかもばっちり但し書きのようなものも貼ってくれました。
観察用の用紙の用意は私の役目。
休み時間になると早速お世話や観察やスケッチや…
これぞ"学び"だなぁ。
実はこの観察コーナー、進化していきました。
というのも、これまた実物は見れていなかったカブトムシを持ってきてくれる子どもがいて…
しかも気づけば貼り紙も!
この貼り紙、センスありすぎる…笑
虫めがねもあったがいいということで、理科の専科の先生にお借りして設置。
一学期の最後、ある子どもは観察してスケッチしたものを綴って、本にしていました。
興味関心から生まれる学びって、やっぱりステキだなぁと感じる場面が、観察コーナーでたくさん見ることができました。
コーナーは観察コーナーきっかけに、郵便コーナー、落し物コーナー、読書コーナー、問題コーナーも誕生。
どのコーナーも、子ども達と進化させていけたらいいなぁ!
「振り返りジャーナル」を振り返る
4月10日から始めた「振り返りジャーナル」。
岩瀬直樹さんの実践です。
「振り返りジャーナル」で子どもとつながるクラス運営 (ナツメ社教育書ブックス)
- 作者: 岩瀬直樹,ちょんせいこ
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まずは子どもたちとルール等を確認しました。
- 5分から10分程度。必ず毎日やる。できないときは事前に予告する。
- 教師も生徒もジャーナルを持ち帰らない。
- 見せて欲しくないメッセージがある時は誰にも見せない。
私自身の中でのルール
- フィードバックは短く、簡潔に。40人分を20分が目安。
- 肯定的なフィードバック。誤字脱字への赤入れはしない。
- ジャーナル上で問題を解決しようとしない。
ある日、校長先生と面談をしていると、ジャーナルの話に。「こんな風にやってて、こんなステキなことがありました!」と話した後、校長先生から「先生のされていることは、先生の子どもの自主性を大切にしたいという思いに反するのでは?」「帰りの会で、書くという作業は子どもにとって重労働では?」と。
なるほど。
実は、始めた頃、テーマを提示して、テーマに沿って振り返りを行うようにしていました。
そんなある日、子どもたちから
「今日は書きたいことがあるから、そのことについて書きたいです!」
「OK!なら今日はフリートークってことにしよっか!」
と言うことでテーマを自由に選んで書くことに。もちろん書きたいテーマがあった子どもに関しては、いい振り返りができてるなぁと感じる一方で、なんとなくテーマを選び、テーマや振り返りに焦点がなく、「楽しかった」に留まっていることも。
色々悩んだ結果、(子どもたちからの承認を得て)当初のやり方に戻していました。
そんな中での校長先生からのお言葉。「与えられたテーマで書かされることに子どもはきつい思いをしているかもしれない」と。
なるほど…たしかに子どもの側に立って考えたことがなかった。振り返りジャーナルについて、みんなどう思ってるんだろう…
正直、不安になりました。不安なら聞いちゃえ!てことで…
「振り返りジャーナルについて振り返ってみて、振り返りジャーナルについてどう思う?もちろん正直に書いていいよ!」というのをテーマに。
以下、子どもたちが書いたジャーナルから。
一日のふり返りで、一日では、書きたいことがいっぱいあるからお題は自分たちで決めたいです。ふり返りジャーナルはあった方がいいと思います。なぜかというと一日の自分の気持ちを正直に書けるからです。
わたしは、ふり返りジャーナルについてこのままでいいと思います。その理由はジャーナルはなるべくたくさん書けるし、いつもいろいろなテーマがあるし、いろいろ考えることができて、あたまをつかうからとても楽しくなるからそのままでもいいです。でも一つやめてほしいことがあります。それはフリートークです。その理由はなにを書けばいいかわからなくていやになるから、フリートークはやめてほしいです。
わたしはふりかえりジャーナルがあってほしいです。理由はいろんなことをふりかえったりわすれたことも思い出せるからです。
わたしはまいにちやこんしゅうをふりかえられるのでいいと思いました。
ぼくはジャーナルについてしょうじきに言って、毎日三年生がおわるまでジャーナルをやりたいです。
ぼくは、ジャーナルについてめんどくさいと思います。だってはやくかえられないし、二年生のときはなかったし、まいにちあるからです。でもがんばりたいです。つぎもがんばりたいです。だいぶめんどくさくなくなってきました。
いつもふりかえりジャーナルをやっててかくのがたのしいからまだつづけていきたいです。ふりかえりジャーナルでいっぱいしつもんがあっていいとおもうけどもっといろいろなしつもんをだしてほしいです。ふりかえりジャーナルで書くのがたのしいです。
一番びっくりしたことは、クラス30人、誰一人として振り返りジャーナル(自体)をしたくないという子どもがいなかったということ。
感じていた不安は払拭されつつ、よかった点が。それはテーマに関して。
自分たちで決めたいという意見と、テーマを出してほしいという二つの意見。これはどちらも大切にしたいなぁと思い、以下のように子どもたちと決めました。
- テーマは毎日提示する。
- けど、書きたいことがあれば別のテーマでもOK!
- 自分でテーマを決める時は、どんな出来事にどんな風に感じたかを考えられるといいね!
岩瀬さんの言葉をお借りすれば、共同修正。
これってすごく大事だなぁと。
それと、書くってことに関しても、赤入れがなく、先生しか見ず、そして肯定的なフィードバックが返ってくるということを保証すれば、決して重労働なんかではないと感じたり。
夏休み中、教室に残されている振り返りジャーナル。フィードバックの時間が好きだけど、それはできないので…これからみんなの振り返りを見直してみようー!!